今回は「銀の匙」 のあらすじ・ネタバレを紹介します。
アニメ化した作品でもありますし、作者があの「鋼の錬金術師」の作者でもあるので、知名度はかなり高いはず。
「銀の匙」 あらすじ
「銀の匙」 は進学校で勉強に挫折し、親からのプレッシャーから逃れるため「寮があるから」という理由で農業高校に入学した男子高校生の学校生活を描いた作品です。

漫画「銀の匙」 登場人物
八軒勇吾
御影アキ
駒場一郎
南九条あやめ
アキの叔父
アキの父
中島先生
相川進之介
常盤恵次など

漫画「銀の匙」 ネタバレあり感想
この作品は受験に悩んでいる学生や人生、進路、将来に迷っている人たちにおすすめだと思います。
理由はいくつかあるんですが、まず主人公が勉強で挫折している点です。
これは多くの人が経験あるのではないでしょうか。
ちなみに私は大学受験の時に非常に悩んでいました(笑)
そんな状況で主人公の八軒は中学校は進学校だったものの勉強について行けず、厳しく冷たい父親のいる家にいる事が辛くなり、寮があるという理由だけでエゾノー(大蝦夷農業高校)に入学しました。
しかしクラスメイトの多くは農業高校なだけあって実家が農家や酪農家、将来は家を継いだり事業を拡大したい、と夢を持った人たちばかりでした。
それに対し「逃げ」だけでこの高校を選び何の夢も希望もない八軒。
そんな中授業や実習は始まります。
授業はというもの一周20kmもある敷地のマラソン、鶏や豚など家畜の世話、牛の搾乳や直腸検査など一般家庭の八軒は心身ともにグロッキー…。
さらにエゾノーは部活必須で運動部しかありません。
なんという筋肉学校(笑)
ポイント1:中馬術部に所属する御影との出会い
そんな中馬術部に所属する御影に出会います。
御影は特に馬を愛しており、八軒に対しても優しく接しています。
御影に思いを寄せた八軒は御影に誘われ馬術部に所属することになります。
この出来事が八軒自身を成長させる大きなきっかけになったと思います。
他にも個性豊かな人物がたくさんでてきます。
獣医を目指す高身長イケメンの優男の相川や実家を継ぎニワトリ農家をする馬鹿でニワトリ頭の常盤、農業経営を学びビジネスの展開を目指している見た目が卵の多摩子、野球部で甲子園を目指す筋肉ピッチャー駒場などなど…。
ある時駒場は八軒の事情を知り「負けてこっちに来たんかくだらねえ」とぶつけます。
それに対して八軒は「卒業すれば実家という就職先があって気楽でうらやましい」と返し喧嘩になります。
その光景を見ていた御影は、二人をばんえい競馬の厩舎へ連れていき、そこでとある獣医と出会います。
八軒は友達の相川のこともあり獣医に“夢を叶えるために必要なこと”を聞くと「殺れるかどうかの覚悟」と答えられます。
八軒は軽率な発言をしたことを謝ります。
そして駒場もよく知らずにあのようなこと言ったことを謝ります。
そんな感じでいろんな人たちと出会って絆を深めていきます。
ポイント2:農業高校の日々とはいったい
月日は経ち、膨大な敷地の校内清掃をしていた時、ボロボロの石窯を発見します。
八軒は都会に住んでいたのでピザは宅配で頼むだけと思っていましたが、エゾノーはド田舎で圏外なのでちゃんとしたピザを食べたことがありませんでした。
八軒の話を聞いたみんなはピザを食べたい!と大騒ぎ。
そして八軒が例の石窯を使いピザを作ることになりました(笑)
八軒の性格がお人好しということもあり、いろんな人が手伝ってくれ、なんとかピザ祭りを成功させます。
この出来事で八軒は何かを掴んだのだと思います。
夏休みのバイトで御影の実家の手伝いをするのですが、そこである失敗をしてしまいます。
また競争に負けてしまい劣った環境で過ごすことになった豚を「豚丼」と名付け、お世話もします。
こんなところも性格がでてますよね(笑)
しかしその“豚丼”も出荷用の家畜で3か月後には肉になってしまいます。
この出来事で八軒は命の重さを改めて感じます。
このような体験は農業学校だからこそ経験できるものなので、一度は体験してみるべきかもしれませんね。
この後も他の豚にまた名前を付けたりとか、拾った犬を飼ったりなど、どんどんお人好しぶりが出てきます。
ポイント3:学園祭も普通高校と違う
そして高校のイベントといえば学園祭!!
エゾノーもエゾノー祭の時期が近づきます。
まあまた八軒のお人好しが炸裂しちゃうわけなんですけど(笑)
八軒はどんどん依頼を断り切れず、引き受けていきます。
学校に戻るともうエゾノー祭は終わっており、たくさんの仕事をやってきて参加出来なかったことに残念に思う八軒でしたが、来てくれた人たちが書いていったノートを御影に渡されます。
そこには「楽しかった!」「〇〇がすごかった!」などたくさんのコメントが書いてありました。
そして「ありがとう」と。
その言葉達を見て御影の隣で泣き出してしまいます。
心配する御影ですが、八軒は「大丈夫、嬉しいだけだから」御影は「お疲れ様、八軒くん」と。
このシーンが私にとってトップクラスに感動するいい話でした。
さてこれまで八軒を軸に話してきました。
もちろん主人公なんで当たり前なんですが(笑)
ポイント4:主人公以外の掘り下げもすごい
一見八軒だけ大変な思いをしてるように見えますが、読んでいると物語に出てくるほとんどが悩みを抱えています。
一例として物語の超重要キャラの駒場について少しだけ。
甲子園を目指して頑張ってた駒場。
しかし地区大会の準決勝、先輩のエラーで駒場の夏は幕を閉じていきます。
さらに立て続けに駒場牧場が離農してしまいます。
借金が返せなくなって学校を辞めて働かなくてはならない状況となってしまいました。
八軒は現実を受け止めることができず、「なんとかできないか」「来年甲子園を目指せば」と考えるのですが、時間が経てば経つほど借金は増えていく現実。
そして駒場の父が事業拡大した時の借金の保証人を御影の家が引き受けていました。
御影の家庭にも迷惑をかけるわけにはいかないので、駒場はエゾノーをやめ去っていくのでした。
でもこの後も駒場は登場します!
読んでいく度駒場は大好きになっていくので駒場がいなくなった時、すごく悲しかったんですが、後々登場しすごいことをしていました!
そこはぜひ自分で読んで感動してください!
もちろん駒場だけじゃなく、御影も相川も常盤も色んな人がそれぞれ抱えている問題があります。
そこにお人好しの八軒が親身になって寄り添い出会った仲間たちと共に成長していくのがこの物語の芯だと私は考えます。

まとめ
もし人生に悩んでいたり、進路が決まらなかったり、八軒と同じ境遇を迎えている人は是非この「銀の匙」を読んでみてはいかがでしょうか。
逃げたいという理由で入ったエゾノーが大切なことを教えてくれたように、見えてくることがあると思います。