「映画ドラえもん のび太のパラレル西遊記」感想・あらすじ。妖怪達の魔の手から、平穏な世界を取り戻せ!

映画レビュー
出典:TELASA

「映画ドラえもん のび太のパラレル西遊記」のあらすじ

主人公の野比 のび太の小学校では、新入生歓迎会で演劇をすることになっていました。

のび太の発案で「西遊記」の劇をすることが決まったものの、主役の孫悟空の役は優等生の出木杉がやることになり、のび太は台詞が一言しかない村人その①の役をやることになってしまいました。

自分が発案したのに主役を務められなかったのび太は不貞腐れながら、「悟空の役は、悟空に似ている人がやるべきだ」とぼやきます。

それを聞いたクラスメートのジャイアンとスネ夫は一笑に付し、静香も「悟空はお話の中の人物よ」と諭します。

ムキになったのび太は、孫悟空は絶対にいると言い残し、教室を飛び出してしまいました。

家に帰ったのび太はタイムマシンで唐の時代に行き、自分そっくりの孫悟空の姿を目撃します。

慌てて静香やジャイアンらにそのことを話すが、まるで相手にされません。

そこで、「もし悟空が実在していてのび太に似ていたら、演劇での孫悟空の役をのび太にやらせる」、「実在していなければドラえもんの道具を使い放題」という約束を取り交わし、彼らを伴って再び唐の時代へ向かいました。

しかし、肝心の孫悟空の姿はどこにもありません。

このままでは、のび太が嘘をついたことになってしまいます。

仕方なくドラえもんは、様々なゲームを楽しむことが出来る秘密道具『ヒーローマシン』を使い、西遊記のゲームデータでのび太を孫悟空に変身させます。

のび太はヒーローマシンのお蔭で孫悟空の能力を会得し、悟空を演じるが、ちょっとしたドジを踏んで偽装が露見してしまいました。

嘘をついたと見なされたのび太は賭けに負け、「ドラえもんの秘密道具使い放題」の一環として、件のヒーローマシンをジャイアンらに使わせることになりました。

しかし肝心のゲームの中では、敵キャラクターが一人も登場しないません。

ジャイアン達は何もしないままゲームクリアとなりました。

ゲームの故障かと訝るドラえもん。

そしてその日を境に、次々と奇妙な出来事が起きるようになりました。

ママが振る舞う食事は、トカゲのスープやカエルの唐揚げ、パパの影には角が見えます。

蝙蝠たちが空を舞い、西遊記の劇は三蔵法師が妖怪に食べられて終わるという結末に変わっていました。

実は、のび太達が唐の時代でヒーローマシンを使った際、本体のスイッチを切らずに放置した為、ゲーム内の妖怪達が現実世界に飛び出してしまったのです。

彼らは人間世界を侵略し、歴史そのものを変えてしまいました。

つまりは、現代で起きた様々な異変は、妖怪達が歴史を変えたことによって起こったことなのです。

事態を収拾する方法は、ヒーローマシンに妖怪達を回収するしかありません。

こうして、のび太達の平穏を取り戻すための戦い、”パラレル西遊記”が幕を開けたのでした。

「映画ドラえもん のび太のパラレル西遊記」の登場人物・キャスト

ドラえもん 主人公。22世紀からやってきた猫型ロボット。お腹の『四次元ポケット』から様々な秘密道具を取り出す。

野比のび太 主人公。小学5年生。本作では『ヒーローマシン』の力で孫悟空を演じる。

源静香 ヒロイン。小学5年生。本作では『ヒーローマシン』の力で三蔵法師を演じる。

骨川スネ夫 小学5年生。本作では『ヒーローマシン』の力で沙悟浄を演じる。

剛田武 小学5年生。通称「ジャイアン」。本作では『ヒーローマシン』の力で猪八戒を演じる。

出木杉英才 小学5年生。本作では西遊記の劇で孫悟空を演じる。妖怪達の歴史改変後、妖怪としてのび太達の前に現れる。

野比玉子 のび太のママ。本作では妖怪達の歴史改変によって、妖怪になってしまう。

野比のび助 のび太のパパ。本作では妖怪達の歴史改変によって、妖怪になってしまう。

先生 のび太達のクラスの担任。本作では妖怪達の歴史改変によって、妖怪になってしまう。

三蔵法師 本作のゲストキャラクター。天竺へ向けて旅をする、実在の人物。

リンレイ 本作のゲストキャラクター。三蔵法師の従者を務める少年。

モトヒラ 本作のゲストキャラクター。のび太達のクラスメート。西遊記の演劇を行うにあたり、脚

本を担当した。

ドラミ ドラえもんの妹ロボット。

「映画ドラえもん のび太のパラレル西遊記」のネタバレあり感想

ポイント1: のび太達が作る、「西遊記」の物語

本作の見所は、西遊記のキャラクターに扮したのび太達の活躍です。

原典・西遊記の配役をのび太達に当てはめるという発想が見事にハマり、それぞれの個性にあった活躍を見せてくれます。

ヒーローマシンの力で西遊記のゲーム内と同等の能力を得たことで、臆病なスネ夫がいつもよりも果敢に妖怪達に立ち向かうのも特徴です。

平穏な日常が、次第に妖怪達に蝕まれていく恐怖、日常と非日常の逆転、導入部分から視聴者の恐怖を誘います。

一転して妖怪退治のパートからは、手に汗握る展開が続きます。

妖怪兄弟の金角に騙され、瓢箪に閉じ込められるドラえもん、形勢逆転して金角の回収に成功するも、銀角戦では静香を攫われてしまします。

銀角戦と並行して、のび太と羅刹女のバトルも行われます。

最初にのび太が見た孫悟空の正体が、妖怪達と戦う自分自身だと分かった時の気持ち良さは感無量です。

ポイント2:不満点と、禁じ手とも言えるサプライズ

一方で、ゲストキャラクターのリンレイとのび太達の交流シーンが殆どなかったのは、些か物足りないポイントです。

最初にのび太が顔を合わせて以降、ドラえもん達とも絡むのは三蔵が襲われるシーン、ここでは金角と銀角を追い払ってすぐに別れてしまうため、殆ど会話をしていません。

次に顔を合わせるのは三蔵や静香が攫われた後だが、すぐに妖怪達の本拠地に乗り込むため、リンレイがどんな少年なのか、どんなことを考えているのか推し量るのは難しいです。

両親である牛魔王や羅刹女との家族愛と、スパイとして三蔵を騙している罪悪感の間で葛藤する描写があっても良かったように思います。

また、終盤捕えられた一同を救うために現れるドラミの存在は、賛否両論あります。

本来『映画ドラえもんシリーズ』は、ドラえもん達5人とゲストが力を合わせて物事を解決するのが醍醐味です。

そういった意味では、ドラミのような準レギュラーの参戦でピンチを乗り切るのは、ある意味”禁じ手”、”邪道”とも言えます

しかしながら、絶体絶命の状況でドラミが現れるのは、意外性がありサプライズ要素としては充分です。

タイムマシンから伸びた大量のサーチライトが暗闇を照らし、それを観世音菩薩に見立てる発想も面白いです。

参戦後は兄やのび太と共に牛魔王に立ち向かうが、ヒーローマシンを破壊されて牛魔王を回収不能になってしまいます。

ドラミが登場したから解決という訳では無く、更に一波乱盛り込んできたのは、禁じ手を使ったことへの罪滅ぼしでしょうか。

まとめ

本作は映画ドラえもんシリーズで唯一、大長編(=原作漫画作品)が存在しない映画です。

脚本も藤子・F・不二雄氏ではなく、もとひら了氏が担当しています。

とはいえ、藤子氏の掲げる”SF”(=すこし・ふしぎ)な世界観を緻密に再現していると言っても過言ではありません。

「少しずつ、妖怪世界が入り込んでいるみたいだ」というドラえもんの台詞に象徴されるように、日常が脅かされていく恐怖が描かれています。

また、本作の隠れた見所は、EDでのジャイアンの涙です。

妖怪達に支配された世界の中ですら涙を見せなかったジャイアンが、平穏を取り戻し、母ちゃんと再会した時に初めて涙を流します。

本編中ではヒーローマシンを使い、文字通り”英雄(ヒーロー)”として戦ったガキ大将が見せた涙、
EDを迎えて初めて、等身大の小学生に戻れたのです。

昭和最後のドラえもん映画を飾るに相応しい、EDまで楽しめる作品です。

タイトルとURLをコピーしました